今回はMOWゼミメンバーインタビュー番外編です!
農工大OGで、牛舎でもお仕事をされているNIKUKYUさんに13の質問をしてきました!
牛舎で働く方に「あなたにとって牛とは?」といった牛に関する根本の質問をする機会は貴重ですね。
その他卒業後のキャリア、研究の着想を得る過程など、大学3・4年生が気になる話もてんこもりです!
ではどうぞ!
NIKUKYUさんのプロフィール
農工大生物生産学科(An) OG 2012年修了
実家:三重県
通学時間:片道10分(自転車)
インタビュー(全13問)
Q1.どうして農工大を志望しましたか?
理由は大きく分けて3つあります。1つ目は実家を出て東京に出て来てみたかったから。
2つ目は獣医学に興味があったから。けど、初年度で入学できるほどの学力もなく、浪人する金銭的な余裕も熱量もなかったから、獣医学科が横にあって、動物の勉強もできそうな生物生産学科を志望しました。
3つ目は農業に親しんでいたから。父方の実家が農業してたから農業にも親しみがありました。家庭菜園みたいな感じで、細々とスイカなど栽培してた。近くに牛舎もあって、よく見に行ってました。スーパーサイエンスハイスクール(高校の理系向けプログラム)で稲の勉強してたこともあったね。
ちょうど農工大を見つけて、色んなものが符合したので農工大ほぼ一択でした。
Q2.所属していた部活・サークルはなんですか?
ピアノ部、ミニホースの会、ほぼ幽霊で写真部に入っていました。一番メインかつ廃人のように活動していたのはピアノ部ですね(笑)
ピアノは小5からやってます。実家を離れてピアノが弾けないなと思っていたところ、当時のピアノ部は24時間ピアノ弾き放題だったから入部しました。ピアノ部の部室によく泊まり込んでました。
▲4年くらい前のピアノ部OBコンサートにて。撮影段階でネットリテラシーによく配慮された素材ですね。最近はコロナ禍で難しそうですが、色んなOBコンサートがしばしば開催されています。最近の卒業生もやってるのかな?(NIKUKYUさん)
ミニホースの会は3年あたりまでそれなりに力を入れて活動してたかな。それくらいの頃にシナモンとアップル(ミニホースの名前)をお見合いさせて、パイが生まれました。アップルと一緒に車に乗ってて事故に巻き込まれたこともあるよ。学生が運転してて、前の車を追い越そうとしたときに横転しちゃって。アップルと他の部員はうまいこと無事だったんだけど、私は5-10cmくらいの大きいコブを作ったよ(笑)
Q3.どんなバイトをしてましたか?
最初はピアノ部の先輩から紹介された牛丼屋で数か月バイトをしてました。春終わりから一年の秋頃までで、前述の横転事故の後、身体的にしんどくなって辞めちゃった。
夏頃から牛丼に並行して、一人暮らし先の近くにあった小料理屋さんでも働いていたんだけど、そっちは無理せず続けられそうだったので飲食店はそれ一本にしました。ずーっと繋がってて、今もお手伝いに行ってます。催事販売なんかもちらほらと。もう遠縁の親戚みたいな付き合いだね。バイトでも良い縁があると人生が豊かになるね。
Q4.農工大在学時から現在までの歩みを教えてください!
FSで卒業して、院で畜産研所属になりました。そのあとは農薬メーカーに就職しました。就職先はお金が稼げればいいやって感じであまりこだわりなく選んだかな。「3年は勤めてみて、5年で面白くなかったらやめるべ」って思ってた。
最初の配属は長野で営業でした。色んな現場を回れて、それはそれで面白かった。田んぼに入って雑草の生え方の調査とか、農家さんにニーズの聞き取りとかして。東京への配属を機に就職して3年目に結婚。その後イヌを飼い始めたのと、旦那も異動がある仕事をしてたので、お互い忙しくてこのままでは家が崩壊するなと思い始めて。その頃はもう今の家に住んでたんだけど、マンションから職場まではdoor to doorで1時間半だったから、「一日3時間も通勤できんな。辞めよう。」と決意し、5年目で退職しました。
家の近くで働きたい思いが最初からあったので、退職2年前くらいから、ちょっと疎遠になってた畜産研OB会に顔を出すようにしてたんです。うまくいけば農工大、そうでなくともOBの方々は府中近辺に住んでる人も多いので、いいお仕事情報ないかなと。結果的には佐藤幹先生に拾ってもらって、助かりました。
Q5.現在の仕事内容を教えてください。
今は農工大勤務4年が終わったところで、最初はフレキシブルなパートとして佐藤先生に雇用されて働いてました。先生や学生さんの飼養試験を手伝ったり、実験室で先生の代わりに実務作業をしたり、事務作業を手伝ったり。
その後、学生時代に牛の研究をしていたこともあり、週一で半日のみですが、牛舎職員としても雇われはじめました。牛舎に出入りしていたら獣医の先生と繋がって、期間限定でその先生のラボ研究員として実習の補助をしていたこともあります。産休で欠員が出ていた時期に、学生が多くて安全確認しきれないということで、事故なく安全に実習が行えるよう補助をしました。
2020年に佐藤先生の退職や、別件で杉村先生から仕事の話がきたこともあり、現在は、畜産研の新村先生と、FSセンターの杉村先生、二人に雇われる形で研究員として雇用されています。教授や学生の研究補助の他、請求書の処理などデスクワークもやります。積極的に色んな所に顔を出していたらどこも人手不足で色々な人にお仕事もらえて、ありがたいです。牛を中心として色々な関係が構築されてるね。はじめはのんびり働いていたけど、去年くらいからちょっとずつ忙しくなってきた...(笑)
Q6.学生に戻れるなら、何をしたい?
基本的に過去は切り捨てて生きてきてるので、過去に戻って何かしたいということはないんだよね。あえて言うなら、またいっぱいピアノが弾きたいですね(笑)あと、今は亡き実家のイヌともっと遊んでおきたい。勉強は同じくらいやっておけばいいや(GPA2.0以下)(笑)
Q7. 平日と休日のタイムスケジュールを教えてください!
▼タイムスケジュールは日によって大きく変わるからなんとも言えないんだけど、平日はこんな感じ。
▼休日は...休む!(笑)昼からお酒を飲むこともあるよ(笑)
犬には人間にペースに合わせてもらってて、人間が起きたら犬の朝ごはんって感じ。昼に一回大学に行って、飼ってるカエルと鶏の世話をしてます。実験をやることもある。主に平日、17時~前述の小料理屋のお手伝いをすることもあります。
▲人のベッドで寝ているとてもかわいいいぬです。通勤時間が短くなった分、吸い放題です。マットレスにシーツを掛けたいので、どいて欲しい。
Q8.研究のアイデアはどこから得ますか?
今のところ、オリジナルな実験はしてなくて他の人の研究サポートだけど、それでも割と、意識のある間ずっと実験のことなり研究のことなりを考えています。サポートしてない他の人の実験の補助からヒントを得ることもあれば、日常生活でも、発想や情報を関連付けてヒントを得ることがあります。テレビ観てたりお風呂入ったりしてるときにも「この実験はこういうストーリーとしても広げていけるかも~」、とか「管理方法をこうすればもっと試験内容に適した管理できるのでは?」とか。私自身は、大したことができるわけじゃありませんが(笑)
Q9.畜産に関わる本で、オススメのものを一冊、理由とともに紹介してください。
畜産学ぶ人全員に関わるというわけではないんだけど、FSで学んだ我々の時代の本っていうと『新ルーメンの世界』(板橋先生)ですね!!。農工大の牛舎に行く人にはぜひ読んでほしい1冊です。すごい先生がいたんだな~って思いを馳せてほしい。にしても、すげ~分厚いんだよ(笑)
※605ページあります(インタビュアー調べ)
Q10.あなたにとって「牛」とは?
上手く言葉にならないな...。なんだかんだ牛が色んな縁の根っこにいるんだよな。牛舎関連で仕事の縁もあるし、牛に関わっているからのんびり楽しく生活できてる。ま、牛は牛だね!
出荷は寂しいは寂しいけど、自分が最後まで飼えるわけでもない。生き物が死ぬときは必ずくるけれど、生産動物なのでそれを人間のタイミングで決めることになる。でも、それ以外の最適解もないと思ってるそれを見送って、受け止めるっていうのも含めて人として生きる責任の一端を担えればいいかなと思う。
仕事で屠場に行くこともあるけど、行くたびにありがたいなあと感じます。常に覚悟を持って向き合っているつもりではあるけど、この感覚を忘れずに生きていきたいなと思う。
Q11.牛舎で推してる牛はどの子?
どの牛もかわいいんだよね~。みんなかわいい。なんでもかんでも箱推しなんだよな~。名前で呼んでしっかり可愛がる職員さんを尊敬してて、最近自分も全頭の名前を覚えるようにして、名前を呼んで可愛がってるよ。
Q12.受験生へ一言!(中高生むけ)
府中キャンパスはのびのびしてて、良い大学生活が送れると思う。
私はセンター試験の結果が悪くてE判定で合格率20%未満だったけど、前期で入学できたから、あきらめずに!
Q13.新入生へ一言!(農工大に入学した人向け)
工学部はよくわからないんだけど、農学部の府中キャンパスは緑が多くて畑もあって雰囲気が良いので、農工大を愛してくれるといいなあと思います。
インタビュアーの感想
積極的に色んな現場に顔を出すことで、ここまで仕事や関係性が広がっていくんだ、と大変驚きました!
また、牛の飼い方に関して、「責任の一端を担う」という考え方に覚悟が現れていて重みを感じました。大学でみんな同じ牛と接しているのに、「牛」に対する考え方が一人一人違っていて面白いな~と改めて感じております。
MOWゼミでは他学科の学生/教授、牛舎の職員さん、農家さんなど多様な方々と関わることが出来ます!
農工大生も是非、自分から色んな人に働きかけて、自分の人生を豊かにしてほしいと思います。
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