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ふじつぼ

牧場とキタキツネ(2020年11月勉強会)

こんにちは!MOWゼミ員のけんぴです。

今回は、私が開催した11月勉強会の報告&関連するお話をしようと思います。


 

はじめに

突然ですが…キタキツネを見たことはありますか?


自然好き、旅好きの方なら北海道を訪れた際に見かけたこともあるかもしれません。

私は大学1年の2月に北海道の牧場を訪れた際に初めてキタキツネを見ました。


道路の傍にまで姿をみせるキタキツネはかわいらしいですよね。


お世話になった牧場から1枚。
中央奥にはオホーツク海と流氷が小さく見えます。


しかし、牧場ではキタキツネは害獣として扱われます。キタキツネは分娩中~生まれたばかりの仔牛の鼻先、舌、瞼、蹄の柔らかい部分などを食べます。また、食べられた部分によっては、仔牛が死んでしまうこともあり得るのです。


私自身、地域生態システム学科で主に生態系保全をメインに学んでいるので、この「キタキツネ問題」が強く印象に残りました。


こんな経験から、「牧場への獣害問題」を題材に、MOWゼミ員と獣害対策の基本的な対処法を共有したいと思い、この勉強会を企画しました。


 

勉強会の内容


勉強会では獣害とは何か、獣害対策をどのように立てるか、という話をした後に、実際に見聞きした牧場での獣害をケースワークとして参加者に獣害対策を考えてもらいました。



あくまで個人的にですが、獣害対策というのは、生活習慣病の治療と同様にとらえると理解しやすいのではないかと考えています。(上のスライドでは()内で動脈硬化の例を示しています。ネットを参考にしているため、間違いもあるかもしれません…。)


まずは、動脈硬化の例から見ていきましょう。


動脈硬化を含め、様々な生活習慣病は、健康的な食生活や適度な運動をして予防します。予防方法は普段の行動を改善するだけでよいので、負担は少なく、自分で実践できます。また、これを行うと、特定の病気だけでなく、全般的な病気予防にもつながっています。


それでも動脈硬化気味になってしまったら、病院で診察を受け、薬を処方してもらうという治療を行います。この治療には、専門的知識で診断してくれる存在や薬という資材が必要で、さらには1回でも薬を飲み忘れれば正しい成果が出ずらい、悪化してしまう、という特徴があります。


さらに進行してしまったら、血管バイパス手術という手術が必要になります。手術は、確実ではあるものの、コストが高く、高度な知識と技術が必要です。また、手術をしたからと言って、完治するわけではなく、予防や治療も併用しながら、一生付き合う問題です。


次に、獣害対策方法の特徴から予防、治療、手術に分類すると…


  1. 予防 「無意識的な餌付けを含め、人間の食べ物を食べさせない」「人間の近くに野生動物が身をひそめる場所を与えない」など

  2. 治療 「加害獣種と守りたい土地の大きさ、位置などを考慮して有効な柵を取り付ける」「加害獣種が通る隙間をなくす」など

  3. 手術 「加害個体を捕獲する」「都道府県や国レベルで個体数調整を行う」など


となります。


このように、予防、治療、手術の3段階と特徴を知っておけば、どこの段階が足りていないのか、自分にも協力できることがあるのか、が具体的にイメージが付きやすくなるのではないかと思います。


 

おわりに


牧場のキタキツネの話に戻ると、「加害個体を箱わなで捕獲」(手術)、「侵入経路の特定と補修」(治療)、「牛の残した餌をちゃんと捨てる」「分娩中から仔牛の様子を見守る」(予防)などが考えられます。


しかし、いくら牧場内で対策をしても、観光客やキャンパーが「かわいいから」と餌付けをしたり、生ごみを適切に処理しなかったり、ではいつまでも獣害は解決しません。つまり…



野生動物への餌付けはダメ、絶対!



今回は、獣害対策をメインに扱いましたが、「獣害」にこだわらず、身近なところから、人間と野生動物の関係を見直してくれる人が増えてくれれば嬉しいです。


最後まで読んで頂きありがとうございました!



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